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人気アニメ「キャラクター使用料」めぐる巨額詐欺――パチンコメーカーが騙されたワケ
2015年04月15日 13時37分

テレビアニメ化された人気マンガ「金色のガッシュ!!」のキャラクターの使用料などとして、パチンコメーカーから約2億円をだまし取った疑いで、キャラクター商品の企画販売会社の元会長ら3人が4月上旬、警視庁に逮捕された。

報道によると、3人は「金色のガッシュ!!」の原作者からキャラクターを使う同意を得たとして、愛知県のパチンコメーカーに商品化を持ちかけ、2010年4月~5月に、許諾金・手数料などとして計2億1000万円をだまし取った疑いが持たれている。3人は容疑を否認しているという。

今回の事件のポイントとなっている「キャラクターの使用料」とは、いったい何なのだろうか。なぜ、億を超えた巨額のお金が動くのだろうか。こうした問題にくわしい冨宅恵弁護士に聞いた。

テレビアニメ化された人気マンガ「金色のガッシュ!!」のキャラクターの使用料などとして、パチンコメーカーから約2億円をだまし取った疑いで、キャラクター商品の企画販売会社の元会長ら3人が4月上旬、警視庁に逮捕された。

報道によると、3人は「金色のガッシュ!!」の原作者からキャラクターを使う同意を得たとして、愛知県のパチンコメーカーに商品化を持ちかけ、2010年4月~5月に、許諾金・手数料などとして計2億1000万円をだまし取った疑いが持たれている。3人は容疑を否認しているという。

今回の事件のポイントとなっている「キャラクターの使用料」とは、いったい何なのだろうか。なぜ、億を超えた巨額のお金が動くのだろうか。こうした問題にくわしい冨宅恵弁護士に聞いた。

●「版権ビジネス」とは?

「人気アニメやマンガの『キャラクター』は、さまざまな商品に利用されています。

たとえば、単なる真っ白なTシャツには見向きもしない人でも、そこに自分の好きなキャラクターがプリントされているだけで、それなりの値段を出しても、よろこんで購入する場合がありますよね?

こうした、キャラクターが持っている消費者を引きつける力のことを、専門用語では『顧客吸引力』といいます。

アニメやマンガの著作権をもっている人たちは、こうした『キャラクターを使用する権利』を販売することで収入を得ています。こうした取り引きは、『版権ビジネス』と呼ばれています」

●「契約」を結んで認めてもらう

他人のキャラクターを使わせてもらうためには、どういった手続きがあるのだろうか?

「そのキャラクターを使いたい人が、キャラクターについて権利を持っている人にお願いをして、使用許諾契約(商品化許諾契約)を結び、対価を支払って『キャラクターを使っても良いですよ』と認めてもらうのが一般的です。

ただし、キャラクターの使用許諾契約は、単純にお金を支払えば結んでもらえる、という性質のものではありません。

キャラクターにとっては、その『イメージ』が非常に重要ですから、権利を持っている人は、キャラクターのイメージを損なわないように、どんな商品になら使ってOKなのか、どんな宣伝・広告になら許諾を認めるのか、限定するのが一般的です」

●「絵」単位ではなく「キャラ」単位

「ちなみに、マンガやアニメのキャラクターの使用権については、『特定の1シーンの絵を使ってもよい』という形ではなくて、『○○というシリーズの××というキャラクターを利用してよい』といった形で、認めることが一般的です。

たとえば、マンガ『ドラえもん』は、厳密に分けていくと1コマごとに『全て異なる絵』だといえますが、シリーズ全体として見た場合、『ドラえもんというキャラクター』は統一的な容貌、姿態、性格等をもっていると考えられます。

そうした存在である『キャラクター』が、使用許諾契約(商品化許諾契約)の対象になっているんですね」

●「パチンコ業界特有の事情」とは?

今回は、億単位のお金が動いたということのようだが、どうしてそこまで巨額になるのだろうか?

「その背景には、いくつか、パチンコ業界特有の事情が存在します。

まず、現在のパチンコ台は『アニメの登場人物や著名人などのキャラクターを使用する』ことが、主流になっています。また、パチンコ台は人気の移り変わりが激しく、『常に新しい機種を出して行かなければお客が集まらない』という状況になっています。

つまり、パチンコ台のメーカーは『常に新しいアニメの登場人物や著名人を発掘しなければならない』立場に追い込まれているのです」

なるほど、人気アニメのキャラクターを使わせてもらえる権利は、メーカー側にとって喉から手が出るほど欲しいものなのかもしれない。ただアニメ・マンガについては、日々次々とヒット作が生まれているようにも思えるが、・・・。

「パチンコ台での使用は『キャラクターのイメージが損なわれる』という理由で、敬遠されることが少なくありません。著名な作品を使わせてもらえるのであれば、巨額のお金を支払っても構わない、そんな風にメーカーが考えても、まったく不思議ではありません」

冨宅弁護士はこのように指摘していた。

(弁護士ドットコムニュース)

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