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<一票の格差判決>「違憲」と「違憲状態」の違いとは?弁護士がわかりやすく解説
2014年11月27日 18時46分

「1票の格差」が最大4.77倍だった2013年7月の参院選をめぐって起こされた裁判で、最高裁は11月26日、格差が「違憲状態」としつつも、選挙は有効だとする判決を下した。

一方で、今回の最高裁判決では、かかわった15人の裁判官のうち4人が、選挙制度を「違憲」とする反対意見を書いている。

「違憲状態」と「違憲」――どちらも「憲法に違反している」という意味では同じように思えるが、どういう違いがあるのだろうか。西口竜司弁護士に聞いた。

「1票の格差」が最大4.77倍だった2013年7月の参院選をめぐって起こされた裁判で、最高裁は11月26日、格差が「違憲状態」としつつも、選挙は有効だとする判決を下した。

一方で、今回の最高裁判決では、かかわった15人の裁判官のうち4人が、選挙制度を「違憲」とする反対意見を書いている。

「違憲状態」と「違憲」――どちらも「憲法に違反している」という意味では同じように思えるが、どういう違いがあるのだろうか。西口竜司弁護士に聞いた。

●「一票の格差がある状態」は「違憲状態」

「今回の裁判では『1票の格差』が問題とされました。これは、各選挙区の定数が、人口比に応じて割り振られていないという問題です。

参院選の4.77倍の格差とは、端的に言えば、北海道の方の1票と、鳥取の方の1票の価値が4倍以上違うということです。今回の判決は、その状態を取り上げて『違憲状態』としました。

このような状態は、憲法が要求している『投票価値の平等』という原則に反するといえるので、裁判所は『違憲状態』にあるとしたのです」

●国会に猶予期間を与えている?

なぜ「違憲」ではないのだろうか?

「裁判所が違憲といったところで、『一票の格差』を是正するのは、法律を作る国会の仕事です。そして、国会で法律等を定めるのには時間がかかります。

そのため、裁判所としてもいきなり『違憲』とはいわず、『違憲状態』という判断を下したのです。『違憲』といえるためには、現在の状態が相当期間継続していることが必要になるのです」

なんだかややこしい話だが、最高裁の考え方によれば、「違憲状態」が長期間続いてようやく正式な「違憲」となるようだ。別の見方をすれば、国会に法改正をする「猶予期間」を与えるために、こうした判決を出しているともいえる。ただ、こうした「1票の格差」は、すでに長い間、問題視されてきたようにも思えるが・・・。

「そうですね、今後の国会の動きしだいによっては『違憲』判決が出るのもそう遠くないのかもしれません」

西口弁護士はこのように指摘していた。

今回の判決に付けられた補足意見は、違憲状態の解消が「国民全体のために優先して取り組むべき喫緊の課題」と指摘している。最高裁の判断がいつまでも同じだと考えていると、政治家たちはいつか「痛い目」をみることになるのかもしれない。

(弁護士ドットコムニュース)

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