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<AKB襲撃事件>ツイッターで流れた容疑者の「デマ写真」 拡散した人の責任は?
人気アイドルグループAKB48のメンバーらが岩手県の握手会で襲撃された事件。多くのファンにショックを与えたが、ツイッターでは、容疑者の顔写真と偽った画像が出回ったり、メンバーの死亡説が流れるなど、いくつもの悪質なデマが流されたようだ。
顔写真については、新聞やテレビが実際の容疑者の顔写真を報じると、ツイッターでも「昨日ツイッターで出てた画像と別人じゃん!」といった非難の声があがったが、すでに数多くリツイートされ、拡散したあとだった。
こうしたデマを流した人物が、何らかの罪に問われることはあるのだろうか。また、確認もせずに、そのままリツイートした人の責任はどうだろうか。ネットの中傷問題にくわしい清水陽平弁護士に聞いた。
要らなくなった本を勝手に「古本屋」の棚に入れてきたーー何かの罪になるの?
要らなくなった本を勝手に「ブックオフ」の棚に入れてきた——インターネット掲示板に、こんな行為を打ち明ける書き込みがあった。投稿者は「なんか罪になるの?」と尋ねている。
投稿者の質問について、掲示板では「迷惑条例違反」「威力業務妨害かな」「不法投棄」「建造物侵入でいける」など、どんな罪にあたるのかをめぐって議論が起きた。
本当にこのような行為が行われたのかどうかは不明で、単なるネタの可能性もある。だが、もし実際に、古本屋の棚に「要らない本」を入れた場合、罪に問われる可能性はあるのだろうか。寺林智栄弁護士に聞いた。
河井元法相の買収事件で「供述誘導」報道、日弁連が検察批判「国民の人生が狂わされる」
河井克行元法務大臣の実刑が確定した「参院選大規模買収事件」の捜査をめぐり、東京地検特捜部の検事らが供述を誘導していたという報道を受けて、日弁連(小林元治会長)は8月2日、検察を強く批判するとともに、裁判所に対しても違法な捜査による証拠を排除するなど、その役割を果たすよう求める会長声明を出した。
死刑囚の証人尋問は「非公開」にすべきか? 「裁判の公開」原則を考える
オウム真理教の元幹部である「死刑囚」が出席する証人尋問を公開すべきかどうか――憲法で定められた「裁判公開の原則」をめぐる議論が巻き起こっている。17年近い逃亡の末、昨年逮捕されたオウム真理教の平田信被告の裁判で、教団の元幹部である死刑囚3人が証人尋問に立つことになっているが、検察側は、裁判所ではなく収容先の東京拘置所で「非公開」で行なうことを求めているのだ。
拘置所での「非公開」の尋問とすべき理由として、検察側は、外部接触を禁じられた死刑囚が法廷で傍聴人らを見て動揺する可能性があることや、拘置所から裁判所に移動する際に逃走や教団関係者による身柄奪還の恐れがあることなどをあげている。一方、被告の弁護団らはこうした見解に異議を唱え、裁判の公開を求める意見書を東京地裁に提出した。
日本国憲法82条では、裁判は公開法廷で行うことが原則とされている。裁判の公正な運営のためには、国民の目に見える状態にしておくことが不可欠だからだ。では、裁判を「非公開」とすることは、どのような場合に「例外」として認められるのだろうか。そして、今回はその「例外」にあたるといえるのだろうか。伊佐山芳郎弁護士に聞いた。
●憲法で保障された「裁判公開の原則」はできるだけ守られるべき
「憲法82条1項は『裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行う』と定めていますが、この裁判公開の原則の目的は、秘密裁判を排除することで、裁判の公正を確保することにあります」
このように伊佐山弁護士は述べる。刑事事件については、さらに憲法37条1項で、刑事被告人の権利として「公開裁判を受ける権利」をあげており、「裁判の公開」の重要性が強調されている。
「裁判公開の原則が憲法で保障されているのは、国民が裁判を自由に批判できるようにすることで、裁判に対する国民の信頼を確保し、国民の基本的人権の保障を確実にするためです。したがって、裁判公開の原則はできるかぎり守られなければならないといえます」
しかし、この原則にも例外はあり、憲法82条2項にその条件が書かれている。つまり、「裁判所が裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる」とされているのだ。
もっとも、その但書で、「政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第3章で保障する国民の権利が問題となっている事件の対審は、常にこれを公開しなければならない」と定めている。この点について、伊佐山弁護士は「憲法は、裁判公開の原則の例外を認めていますが、その例外の場合を厳格に制限しているのです」と説明する。
●死刑囚の証人尋問を「非公開にする理由」が本当にあるのか?
では、今回のオウム真理教元幹部の「死刑囚」の証人尋問は、非公開にすべきだろうか。つまり、裁判公開の原則の「例外」にあたるといえるのだろうか。「非公開にすべきだ」という検察側と「原則どおり公開すべきだ」という弁護側の主張は真っ向から対立している。
「検察側は、『外部接触を禁じられた死刑囚が法廷で傍聴人らを見て動揺する可能性がある』とか、『拘置所から裁判所に移動する際に逃走や教団関係者による身柄奪還の恐れがある』などという点を、非公開にすべき理由としてあげているとのことです。しかしいずれも、死刑囚の証人尋問を非公開にする理由としては薄弱です。憲法82条2項で定められた『裁判非公開の事由』に匹敵するほどの根拠があるとは考えられません」
このように伊佐山弁護士は、ズバリ述べる。
「まず、『外部接触を禁じられた死刑囚が法廷で傍聴人らを見て動揺する可能性がある』という“あいまい”な理由は、裁判公開の原則が近代的裁判制度の基本原則の一つとされることに照らして、あまりに浅薄すぎます。このような理由が、本当に検察側から法廷に提出されたものなのか、にわかに信じがたい、というのが正直な感想です。
次に、『拘置所から裁判所に移動する際に逃走や教団関係者による身柄奪還の恐れがある』という理由についても、教団関係者による『身柄奪還の恐れ』に共感する市民がいるとは思えません。万が一、治安当局にそのような心配があるというのであれば、それなりの防備をすれば済むことです。そのような漠然とした“不安”を理由にして、裁判公開の原則の例外とすることは許されません」
こう説明したうえで、伊佐山弁護士は次のようにしめくくった。
「裁判の公開の原則は、司法の独善を防ぎ、人権抑圧的な裁判にならないようにするための基本原則であることを改めて肝に銘じたいものです」
憲法の精神からすれば、裁判公開の原則はできるだけ貫かれなければならず、特に今回のような刑事事件においては、なおさら原則を重視すべきだということだろう。裁判所がどのような判断を下すのか、注目される。
わが家に来た「泥ママ」、盗みや「借りパク」して知らん顔…証拠の確保が重要
「泥ママって本当にいるの?」。ネットの掲示板「ガールズちゃんねる」で、そんなスレッドがたち、話題になりました。スレッドをたてた人は、「今のところ私は経験しておりません」として、「泥ママ(泥棒するママ)」の存在には懐疑的なのですが、気になっているそうです。
レスには「泥棒する人なんているんだ!」という驚きも多かったものの、様々なママ友トラブルに関する投稿が並んでいました。「『あの人が来ると家の中のものがなくなる』という人はいる。被害にあったのは、傘、食器、本など」、「CD借りパクされた。何度返してって言っても『今度ね〜』で幼稚園卒園してしまった」、「アニメのDVDをまとめて貸したら返してくれない。損失としては一万弱ですんだけど」。
このようなトラブルは、ママ友間だけでなく、職場や知人などとも発生し得るものです。親しい関係であるほど、なかなか声をあげづらい問題ですが、どのような罪に問われるのでしょうか。中西 祐一弁護士に聞きました。
顔写真や氏名を公表する「指名手配ポスター」 無罪推定の原則に反しないのか?
「殺人手配者、潜伏中」「逃がさんぞ!」「見かけたらすぐ110番」。警察署や交番のほか、駅などに貼られている「指名手配」のポスター。被疑者の顔写真と氏名、事件の概要が書かれている。犯人へのメッセージとも受け取れるような表現まで加えられていることがある。
ポスターのねらいは、指名手配事件について、被疑者の人相などを広く公開することで、一般の人から目撃情報を集めることだ。警察庁や各都道府県警察のホームページでも、指名手配の情報を確認できる。
しかし、日本の刑事司法では、裁判で有罪が確定するまでは、「無罪」と推定されることが原則のはず。こうした形で名前や顔写真を全国にさらせば、罪を犯したことが確実な「真犯人」だという印象を国民に与えはしないだろうか。泉田健司弁護士に聞いた。
猫の異常な多頭飼育「アニマルホーダー」、背景に貧困や精神疾患…NPOが解決策探る
全国各地で、猫の多頭飼育による問題が発生している。2017年4月には、神戸市東灘区の市営住宅を、猫の多頭飼育による悪臭を理由として強制退去処分となったことが大きく報じられた。住人の40代女性の部屋には猫が53匹放置され、部屋には大量の糞尿、猫の死骸などが散乱していたという。部屋の窓から何匹もの猫が顔を出す様子が報じられ、日本中に衝撃を与えた。
ペットの大量繁殖で飼育ができなくなることは「多頭飼育」崩壊とも言われる。猫が好きで飼い始めたにもかかわらず、なぜ飼育不能な規模の多頭飼育に陥ってしまうのか。解決策はあるのか。多頭飼育の現場に日々向き合うNPO法人「ねこけん」(東京都練馬区)代表理事・溝上奈緒子さんに聞いた。(ライター・高橋ユキ)
高速道路を「逆走」してバスに接触――運転手が「暴行容疑」で送検されたワケは?
兵庫県淡路市で昨年9月、ワゴン車が高速道路を逆走し、観光バスと接触する事故が起きた。事故から4カ月後の今年1月上旬、運転していた会社員の男性(50)が道交法違反と「暴行」の容疑で書類送検された。高速道路の逆走が暴行容疑とされるのは異例とあって、ネットでも大きな話題を呼んだ。
報道によると、男性は昨年9月上旬、淡路市の神戸淡路鳴門自動車道の下り車線を約10キロにわたってワゴン車で逆走した。乗客ら17人の乗る観光バスと接触し、そのまま走り去った疑いがもたれている。乗客にけが人はなかった。男性は警察に対して、逆走していることを認識していたと説明しているという。
暴行というと、相手を殴ったり蹴ったりするイメージがある。今回、運転手はなぜ、暴行容疑で送検されたのだろうか。刑事事件にくわしい田沢剛弁護士に聞いた。
「くまモン」募金やチャリティーイベントでも使用OK、熊本地震で県が特例措置
熊本県は4月19日、熊本地震の支援に限り、許諾不要で「くまモン」のイラストを募金活動やチャリティーイベントで使える特例措置を公式サイトで発表した。
事前にデザイン画などの届け出を行えば、「チャリティーイベント等で使用するポスター、のぼり、チラシ、募金箱等」でくまモンのイラストを利用できる。ただし、イラストの周辺には「(C)2010熊本県くまモン#熊本支援」の表記が必要で、支援活動終了後の結果報告も求められる。
公式サイトによると、「平成28年熊本地震支援のための、募金活動、チャリティーイベントを実施するにあたり、くまモンのイラストを利用したいとの申し出を多数いただいております」としている。
一方、ツイッター上では、くまモンのイラストで熊本を励ます「#くまモン頑張れ絵」の取り組みが続いている。熊本県は弁護士ドットコムの取材に対し、個人利用については、「著作権の許可範囲内」としていた。
「秘密保護法の即時廃止求める」施行目前、法律家8団体が共同声明(全文)
特定秘密保護法の施行が2日後に迫った12月8日、自由法曹団や青年法律家協会弁護士学者合同部会など、法律家で構成される8団体が、同法の即時廃止を求める共同声明を発表した。
声明では、特定秘密保護法の「制定過程自体が、国民主権・民主主義の根本に反する暴挙」であり、「多くの国民がプライバシー侵害、思想・信条による差別といった重大な人権侵害の危険にさらされることになる」と厳しく批判。「平和主義に反し、基本的人権を踏みにじり、そして民主主義・国民主権を有名無実化させる危険性を有したまま、今、施行されようとしている」と危機感を表明した。
声明文の全文は以下の通り。